地域によって7月には新盆を迎えるところも。お盆に飾る「盆提灯」ってどんな役割なの?
毎年お盆には、お仏壇の周りや玄関に提灯を飾ります。
提灯をお盆に飾るのはどんな意味があるのでしょうか?
盆提灯を飾る意味
盆提灯は、この時期にご自宅に帰ってくる故人様やご先祖様の魂が迷わずにたどり着くための目印として飾ります。
お盆の際には「迎え火」と「送り火」を行うのは皆様ご存知かと思いますが、
(「迎え火」:お家までの故人様の道しるべ/「送り火」:故人様の魂を送り出す)
「迎え火」と「送り火」と同様の意味を盆提灯は持っています。
もともとはお盆の初日に、実際に玄関先で迎え火として火を焚き、その火を使って盆提灯を灯していました。
またお盆の最終日には、盆提灯から火をとって送り火を焚いていました。
近年の盆提灯は、火をずっと灯しておくのも危ないですので、電池式のものが主流となっています。
白提灯とは?
盆提灯には、色や模様ののついたものと、真っ白なものがあります。
この真っ白なものが白提灯と呼ばれ、新盆のときにだけ飾られる盆提灯のことを指します。
新盆(初盆)とは、故人様が亡くなって四十九日の忌明け後に、初めて迎えるお盆のことです。
新盆には、故人様の魂が初めて自宅に帰ってきますので、故人様の魂が道に迷わないように玄関先に白提灯を吊るします。
なぜ白の提灯なのかというと、「清浄無垢の白で故人様の魂を迎える」という意味が込められているからです。
白提灯は新盆の時のみに飾るものなので、新盆が終わりましたらお焚き上げをしてもらいましょう。
盆提灯の飾り方
新盆の場合には、玄関や仏壇の前などに白提灯を1つ吊るしましょう。
白提灯は対ではなく、一つで大丈夫です。
絵柄の入った盆提灯は、対になるように一対や二対で飾ります。
地域によってはご親族や知人の方が盆提灯を送ってくださることもあるそうですので、
もしご自身で用意したけれども贈り物でいただいた場合など複数個ある場合には、一対以上飾っても問題ありません。
基本的には盆棚の前に置きますが、盆棚がない場合には、仏壇の前に盆提灯を置きます。
盆提灯の種類
絵柄の入った盆提灯は色々な形のものがあります。
用途や好みに合わせてお選びください。どんなタイプのものがあるのかご紹介します。
伝統的デザインの盆提灯
昔ながらの伝統的なデザインの盆提灯は、大きく分けて床置きタイプ、棚上に置くタイプ、吊り下げタイプの3種類に分かれています。
一般的なのは3本足の(おおうちあんどん)と呼ばれる床置きのデザインのものです。
他には大内行灯より一回り小さい姫行灯(ひめあんどん)、何色かのランプと絵柄入りの回転筒が付いており、電源を入れると中の筒が回転するルームランプのような回転式の回転行灯(かいてんあんどん)、左右の絵柄が対になっている対行灯(ついあんどん)、などがあります。
モダンデザインの盆提灯
最近では、仏壇や仏間のないご家庭も増えてきていますので、小さめのルームランプのようなタイプのもの、足のないタイプのものなども人気が出てきています。
部屋の隅に置けるような四角の縦型のものも種類が豊富でよく選ばれているデザインの一つです。
床置きタイプ、棚上に置くタイプ、吊り下げタイプの中でもさらに種類が細かく分かれます。
お部屋のイメージや置き場所などに合わせて選ばれると良いでしょう。
白提灯は新盆が終わったらお焚き上げをしてもらいますが、
絵柄の入った盆提灯は毎年使用することができます。
汚れを落とし、新聞紙などで包んで湿気から守り、部品ごとに袋に入れてしまいましょう。
虫食いを避けるために防虫剤も忘れずに。
まとめ
盆提灯は、故人様やご先祖の魂が迷わず自宅に戻って来られるように飾ります。
お盆にはしっかり盆提灯を飾って、故人様をお迎えしましょう。
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